文献詳細
綜説
文献概要
5年生存率が95%以上になり,長期生存が可能になった精巣癌患者をいつまで,そしてどのように経過観察していくかは,個々の施設あるいは主治医と患者の意向で大きく異なる。しかし治療後の長期間にわたる副作用合併症,対側精巣の造精機能の評価や妊孕性,さらに遅発再発や二次癌の問題は,若い患者たちにとって健康に関わるQOLとして重要な情報である。欧米での大規模な経過観察の結果のみから本邦での長期経過観察の方針を考按することには,罹患率の相違や医療制度の違いなどを配慮しなければならないが,患者のQOLを高く保つために長期にわたる副作用・合併症に関するこれらの情報に十分に留意することが望まれる。
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