臨床泌尿器科56巻6号

2002年05月発行

症例

粘液産生性前立腺癌の1例

著者： 妹尾博行¹ 高田剛¹ 武本征人² 野々村祝夫³ 平井利明⁴

所属機関： ¹大阪第二警察病院泌尿器科 ²摂津医誠会病院泌尿器科 ³大阪大学大学院医学研究科泌尿器科 ⁴大阪労災病院泌尿器科

ページ範囲：P.449 - P.451

文献概要

　症例は72歳，男性。無症候性肉眼的血尿を主訴に受診。直腸指診にて前立腺は弾性硬，圧痛なし。PSAは1.7ng/ml,PAPは0.9ng/mlと正常範囲内。CEAは6.9ng/mlと軽度上昇。CT,MRI，経直腸超音波検査にて前立腺背側に多房性嚢胞状腫瘤を認めた。嚢胞部の穿刺吸引細胞診および前立腺針生検を行った。嚢胞内容は血性粘液で，PSA染色陽性の粘液産生性腺癌であった。前立腺全摘除術施行。粘液産生性前立腺癌であった。