icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科56巻8号

2002年07月発行

綜説

泌尿器系癌と糖鎖

著者: 斎藤誠一1 佐藤信1 大山力2 荒井陽一1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科 2秋田大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.571 - P.587

文献概要

 糖鎖は発生,分化過程における認識機構に関与し,癌化により変化する。泌尿器系癌の糖鎖変化を悪性度との関連において調べたところ,各種癌にそれぞれ特徴的な糖鎖,糖転移酵素の変化が観察され,ある糖鎖変化は癌の浸潤および転移,担癌患者の予後に関連していた。糖鎖の具体的な働きや糖鎖の担体となる糖蛋白はまだ十分解明されておらず,癌化における糖転移酵素の変化に関する研究も端緒についたばかりである。糖鎖は臨床癌の特徴をよく反映していることから,癌化における糖鎖の役割ならびに糖鎖発現機構がさらに明らかにされれば,より一層分子レベルで癌の悪性度への理解が深まるとともに新しい治療法への道が開かれるものと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら