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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科57巻3号

2003年03月発行

綜説

シスチン尿症の基礎と臨床:遺伝子変化に基づく新病型分類

著者: 赤倉功一郎1

所属機関: 1東京厚生年金病院泌尿器科

ページ範囲:P.195 - P.201

文献概要

 シスチン尿症は,腎尿細管および小腸上皮におけるシスチンと二塩基性アミノ酸の吸収障害を本態とする遺伝性疾患で,尿路にシスチン結石を形成する。原因遺伝子としてrBAT/SLC3A1およびBAT1/SLC7A9が同定された。1回膜貫通型のrBAT蛋白と12回膜貫通型のBAT1蛋白はヘテロ二量体型アミノ酸トランスポーターを形成し,シスチンと二塩基性アミノ酸の腎尿細管管腔側の輸送系であるb0,+として機能している。2002年,遺伝子解析研究に基づいてシスチン尿症の新たな病型分類が提唱された。タイプA:rBAT遺伝子の2つの変異,タイプB:BAT1遺伝子の2つの変異,タイプAB:rBATおよびBAT1遺伝子のそれぞれ1つずつの変異。原因遺伝子の変異に基づく新たな病型分類が提唱されたことで,今後は,臨床データとの統合を通じて遺伝子型と表現型との関連を検討し,重症度や治療効果の評価が行われることが期待される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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