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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 前立腺疾患のすべて Ⅱ 前立腺肥大症

Symptom scoreと重症度・治療効果の判定基準と問題点

著者: 冨田善彦1

所属機関: 1山形大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.42 - P.44

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 1 はじめに

 前立腺肥大症に伴う症状がいかに生じるかを考える場合,最も単純な機序としては,傍尿道に局在する前立腺の移行域に発生する腺腫の腫大(hyperplasia)により,膀胱排出閉塞(bladder outlet obstruction:BOO)をきたし,下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)を引き起こすということが考えられる(図1)。しかしこれら3つの因子がそろわない症例も多く,その程度も必ずしも相関しない。また,前立腺肥大症による症状は多岐にわたるが,治療効果の判定や,症状からの重症度の判定,ひいては治療法選択の基準として客観的な症状インデックスの必要性から,種々の症状スコアが考案されてきた。

 最も最初に導入されたのはBoyarsky Symptom Indexである。その後,いくつかのスコアが提唱されたが,現在頻用されているInternational Prostate Symptom Score(I-PSS)のもととなるAUA Symptom Indexが1992年に提唱された1)。IPSSはこれにquality of life(QOL)の質問を一つ加えたものである2)(図2)。またInternational Continence Society(ICS)は,さらに詳細な症状スコアを開発している3)

 本稿では,現在最も頻用されているI-PSSについて述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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