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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 前立腺疾患のすべて Ⅴ 前立腺疾患のトピックス

米国における前立腺癌に対するクライオサージェリーの実際

著者: 篠原克人1

所属機関: 1カリフォルニア大学サンフランシスコ校泌尿器科

ページ範囲:P.332 - P.336

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 1 はじめに

 前立腺癌は米国では男性における最も罹患率の高い癌であり,また肺癌に次いで男性における癌死の原因の第2位にランクされている。2002年には30,200人が前立腺癌で死亡すると推定されており1),米国民の間で最も関心の高い疾患の1つである。近年,前立腺癌がことさら注目されている理由には,PSAの普及と経直腸超音波(以下,TRUSと略す)ガイド下の前立腺生検手技の確立により,発見される症例が増大していることも挙げられる。TRUSの導入により前立腺生検が安全により正確に行われるようになり,またPSAの普及により,より多くの患者が生検されるようになった。これにより早期の癌の発見が増え,患者の平均年齢や診断時の前立腺癌の病期の配分は大きく変わってきた2)。かつては前立腺癌は発見時にはすでにStage C,Dの症例が大半を占めるといわれてきた。しかし現在ではStage C,Dの症例の割合は激減しており,またStage A2(T1b)も減っている。代わりにStage B(T2)や触診上正常なT1cの症例が増えている。また同じStage Bであってもかつてのものより早期の症例が増えている。

 TRUSの普及により,これを用いた前立腺癌の治療も注目されつつある。クライオサージェリー3)と密封小線源によるブラキテラピー4)がそれである。クライオサージェリーもブラキテラピーも以前に行われた経緯のある治療法であるが,TRUSとの併用で近年再注目されているのが特徴である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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