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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 前立腺疾患のすべて Ⅴ 前立腺疾患のトピックス

前立腺癌に対する高密度焦点式超音波(HIFU)療法

著者: 内田豊昭1

所属機関: 1東海大学八王子病院泌尿器科

ページ範囲:P.337 - P.341

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 1 はじめに

 近年,本邦における前立腺癌の頻度は急激に増加し,泌尿器科領域では最も高頻度の悪性腫瘍となっている。ちなみに,人口10万人当たりの前立腺癌死亡率は1985年の4.5人に対し,1999年は11.4人に増加している1)。現在,前立腺癌に対する標準的な治療法として,開腹による根治的前立腺摘出術が最も広く施行されているが,術中の出血とそれに伴う輸血,術後の尿失禁,男性機能不全などの合併症,さらに長期の入院期間,高額な医療コストなどの問題から,より低侵襲的な治療法が望まれてきた。

 高密度焦点式超音波(HIFU:high-intensity focused ultrasound)療法は,強力超音波によって焦点領域を80~98℃に加温することによって,ある限局した領域(ここでは前立腺)に熱凝固壊死を起こし治療する方法である。この際,介在する組織の損傷なしに身体内部の目的部位の凝固壊死を導く,つまり身体に傷をつけずに治療できるのが特徴である。われわれは,約4年前から限局性前立腺癌に対する治療法として本療法を施行し,良好な成績を得ている1~3)。HIFUの原理,治療方法とともに,これまでの臨床成績ついて述べることとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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