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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科57巻5号

2003年04月発行

手術手技 泌尿器科 体腔鏡下手術 4

腹腔鏡下腎部分切除術

著者: 服部良平1 小野佳成1 後藤百万1 吉川羊子1 雑賀隆史1 吉野能1 勝野暁1 大島伸一1

所属機関: 1名古屋大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.301 - P.307

文献概要

私どもが行っている腎腫瘍に対する腹腔鏡下腎部分切除術について述べた。腫瘍径が2cm以下で腎杯と腫瘍との距離が1cm以上であれば腎門部の血流を遮断することなく切除が可能と考えているが,腫瘍径が3cmを超えるものでは腎杯や腎盂を開放させる可能性が高く,腎の血流遮断および腎盂や腎杯の縫合が必要と考えている。腎盂や腎杯の縫合が必要な症例では,術前に腎盂までsingle Jカテーテルを留置しておき,術中に尿漏の確認を行う。手術は経腹的操作で行い,トロカーは5本用いるが,胸腔鏡用の血管遮断鉗子用に5mmのフレキシブルトロカースリーブを用いる。Gerota筋膜に包まれたまま腎背側と腹側の剝離を行った後,腎実質からの予期せぬ出血の可能性もあるため,腎門部で腎動静脈を明らかとし,腎血管の血流遮断をできるようにしておく。腫瘍を中心に0.5~1cm外周の正常組織を超音波メスにて腎実質を凝固切開し,腫瘍を持ち上げるようにして腫瘍の根部を切断する。切開面をガーゼで圧迫しながら,出血点を電気メス,argon beam coagulator(ABC),フィブリン糊などで止血する。腎杯が開放されているときには3-0バイクリルにて腎杯縫合を行う。あるいは0バイクリルにて腎実質とともに1層縫合法の要領で縫合する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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