文献詳細
綜説
文献概要
アンドロゲン抑制療法の作用機序に関しては,報告されてから60年余が経過しているが,いまだに解明されない問題もある。さらに,治療を優先させるため,軽視されてきた有害反応も患者のQOLを低下させる。前立腺癌に対するアンドロゲン抑制療法に伴う生体の変化として,視床下部-下垂体-精巣-副腎系ホルモンの変化,前立腺組織ならびに血液中ジヒドロテストステロン濃度の変化,前立腺体積の変化,さらに,生体の有害反応についてわれわれの研究成績も交えながら概説した。今後,アンドロゲン抑制療法の位置づけには,基礎から臨床的な問題まで視野に入れた取り組みが重要と思われる。
掲載誌情報