文献詳細
画像診断
囊胞の完全消失を認めた多囊性異形成腎
著者: 山崎六志1 野村威雄1 三股浩光1 野村芳雄1
所属機関: 1大分医科大学腫瘍病態制御講座泌尿器科学
ページ範囲:P.537 - P.539
文献概要
主訴 右側腹部腫瘤。
家族歴 特記事項なし。
既往歴 特記事項なし。
現病歴 妊娠24週の胎児エコーにて腹部囊胞を指摘された。妊娠39週3日に3,240gにて出生した。
現症・検査所見 全身状態は良好。血算,血清生化学検査,尿検査に特記事項なし。右側腹部に表面平滑で弾性軟な腫瘤を触知した。
画像診断・臨床経過 出生時の腹部エコーにて隔壁を有する大小不同な多数の囊胞を認め(図1),腹部CTでも同様の所見が認められた(図2)。99mTc-DTPA腎シンチグラフィーで右腎にRI集積は認められず(図3A),無機能型であり(図3B),多囊性異形成腎と診断した。以後,当科外来で腹部エコーおよびCTなどにて経過観察していたが(図4),8歳時の腹部CTにて囊胞の完全消失を認めた(図5)。
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