文献詳細
画像診断
画像上腎オンコサイトーマとの鑑別が困難であった嫌色素細胞癌
著者: 藤田喜一郎1 金子昌司1 石井泰憲1
所属機関: 1埼玉社会保険病院泌尿器科
ページ範囲:P.755 - P.757
文献概要
主訴 右腎腫瘍。
既往歴・家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 2002年8月人間ドックでの超音波検査にて右腎腫瘍を指摘され当科を受診した。精査加療目的に入院した。
入院時現症 右腎腫瘤を触知した。表在リンパ節は触知しなかった。
入院時検査成績 IAP 191μg/ml(正常値500以下)。血液,尿検査には異常を認めなかった。
入院後経過 CT,MRIでは腎細胞癌を完全に否定できないながらも,オンコサイトーマが疑われた(図1,2)。血管造影ではオンコサイトーマを示唆する所見も認められたが,腎細胞癌が疑われた(図3)。以上の結果から腎細胞癌を否定できないとして根治的右腎摘除術を施行した(図4)。病理組織学的に嫌色素細胞癌と診断された(図5)。再発転移予防を目的にインターフェロンα投与を開始し,外来にて継続中である。
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