文献詳細
特集 泌尿器科領域の緊急手術と緊急処置
文献概要
要旨
泌尿器科手術での術中臓器損傷は開腹手術で発生するものがほとんどであったが,最近では腹腔鏡下手術でも報告されるようになってきた。損傷が起こりうる臓器は肝,脾,膵および直腸である。臓器損傷は術前評価から予想される場合と予測不可能な事態で不可効力的に生じたり,また不注意によって起こる場合がある。肝,脾,膵の損傷はほとんどが副腎や腎の手術に伴ってみられるもので,詳細な術前評価と解剖の熟知,術中の臓器の授動や鉤による不注意な損傷を避けることで回避しうる。直腸損傷は膀胱や前立腺の摘出術に際して発生するが,癌の浸潤,放射線照射や癒着などのリスク因子のあるときには慎重な操作を行うことが肝要である。
泌尿器科手術での術中臓器損傷は開腹手術で発生するものがほとんどであったが,最近では腹腔鏡下手術でも報告されるようになってきた。損傷が起こりうる臓器は肝,脾,膵および直腸である。臓器損傷は術前評価から予想される場合と予測不可能な事態で不可効力的に生じたり,また不注意によって起こる場合がある。肝,脾,膵の損傷はほとんどが副腎や腎の手術に伴ってみられるもので,詳細な術前評価と解剖の熟知,術中の臓器の授動や鉤による不注意な損傷を避けることで回避しうる。直腸損傷は膀胱や前立腺の摘出術に際して発生するが,癌の浸潤,放射線照射や癒着などのリスク因子のあるときには慎重な操作を行うことが肝要である。
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