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特集 悪性腫瘍との鑑別が困難な各領域の諸病変
文献概要
要旨
悪性腫瘍と鑑別診断が必要な腎盂・尿管病変で,最も高頻度であるのはX線透過性尿路結石である。単純X線撮影では結石陰影は認められず,排泄性尿路造影で,造影剤の充満欠損像がみられ,悪性腫瘍との鑑別診断は困難である。単純CTにより,ほとんどのX線透過性結石は結石陰影が認められ,悪性腫瘍との鑑別診断が可能である。侵襲度の低い検査で鑑別ができない場合には,尿管鏡が適応となる。臨床上,尿管癌と最も鑑別が困難な疾患は,膀胱癌に対する膀胱全摘除術後の尿管腸吻合部付近の尿管狭窄と膀胱上皮内癌に対するBCG膀胱腔内注入療法後の下部尿管狭窄である。これらに対しては,排泄性尿路造影,尿細胞診,尿管カテーテルによる左右の上部尿路尿の細胞診,腎穿刺による尿細胞診,順行性腎盂造影,造影CTで診断しなければならない。
悪性腫瘍と鑑別診断が必要な腎盂・尿管病変で,最も高頻度であるのはX線透過性尿路結石である。単純X線撮影では結石陰影は認められず,排泄性尿路造影で,造影剤の充満欠損像がみられ,悪性腫瘍との鑑別診断は困難である。単純CTにより,ほとんどのX線透過性結石は結石陰影が認められ,悪性腫瘍との鑑別診断が可能である。侵襲度の低い検査で鑑別ができない場合には,尿管鏡が適応となる。臨床上,尿管癌と最も鑑別が困難な疾患は,膀胱癌に対する膀胱全摘除術後の尿管腸吻合部付近の尿管狭窄と膀胱上皮内癌に対するBCG膀胱腔内注入療法後の下部尿管狭窄である。これらに対しては,排泄性尿路造影,尿細胞診,尿管カテーテルによる左右の上部尿路尿の細胞診,腎穿刺による尿細胞診,順行性腎盂造影,造影CTで診断しなければならない。
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