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特集 悪性腫瘍との鑑別が困難な各領域の諸病変
悪性腫瘍との鑑別が困難な膀胱病変
著者: 有馬公伸1
所属機関: 1三重大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.947 - P.951
文献購入ページに移動悪性腫瘍との鑑別を要する膀胱病変としては,膀胱に存在する組織由来の良性腫瘍があり,中胚葉組織由来のもの,神経組織由来のもの,胎生期遺残由来のものに分類される。さらに,偽腫瘍として黄色肉芽腫などの肉芽腫があり,また,炎症性に膀胱壁の肥厚を認める好酸球性膀胱炎なども悪性腫瘍との鑑別を要する。これらのうち,良性腫瘍では,可能であれば術前に是非とも診断しておきたいと考えられる膀胱褐色細胞腫症例をまず取り上げ,次に浸潤性膀胱腫瘍との鑑別を要する膀胱黄色肉芽腫症例および好酸球性膀胱炎症例につき供覧する。それぞれ画像診断だけで診断するのは困難であり,臨床症状や検査所見を参考にこれらを疑うが,最終的には手術標本による病理診断が確定診断には必要である。
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