文献詳細
綜説
文献概要
要旨 待機療法は進行性前立腺癌に対し内分泌療法の開始を遅らせることが可能か? という観点から検討された。この点については結論が出ていないが,転移性前立腺癌はそれ自体が予後不良であり臨床上は治療開始を遅らせる利点があまりない。次に限局性前立腺癌に根治療法を施行した場合と,経過を見た後で内分泌療法を施行した場合との比較が検討され,腫瘍のgradeが高い場合には待機療法の適応になりにくいことが示された。今日ではPSAによるモニタリングが一般的となっており,二次治療として根治療法を念頭においた待機療法が検討されている。このように待機療法の持つ意味合いは時代により大きく異なってきている。
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