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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科58巻13号

2004年12月発行

画像診断

イレウス症状を呈した気腫性膀胱炎

著者: 吉田宗一郎1 中込一彰1 後藤修一1

所属機関: 1県西部浜松医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.1054 - P.1055

文献概要

 患 者 86歳,男性。

 主 訴 発熱,下腹部痛,嘔吐。

 既往歴 特記すべきことなし。

 家族歴 特記すべきことなし。

 現病歴 平素より排尿困難自覚していたが,無治療であった。2000年2月20日より時々尿閉となり,近医にて適宜導尿していた。2月27日より38℃台の発熱,下腹部痛,嘔吐出現し,当院に紹介され入院した。

 入院時現症 下腹部全体が膨隆しており,圧痛を認めた。下腹部は打診上,鼓音を呈していた。
 検査所見 血算:WBC 2700/ml。血液生化学:AST 137IU/l,LDH 342IU/l,CPK 3006IU/l,BUN 49.5mg/dl,Cre 1.79mg/dl,BS 60mg/dl,CRP 29.11mg/dl。尿検査:WBC多数/hpf。血液培養・尿培養:Klebsiella pneumoniaeが検出された。

 画像診断 KUBにて,膀胱部に敷石状のガスの集積,小腸ガス貯留を認めた(図1)。腹部骨盤CTにて,膀胱壁内に多数の気腫が存在していた。膀胱内腔にもガスが貯留し,液面形成像を呈していた(図2)。

 入院後経過 22 Frチーマンカテーテル留置したところ血性混濁尿の流出を認めた。PIPC 2g,CLDM 600mg/日を9日間投与し,膀胱部ガス,小腸ガス貯留像の消失を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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