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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科58巻3号

2004年03月発行

症例

結石性膿腎症と鑑別が困難であった腎浸潤性移行上皮癌

著者: 鈴木九里1 西見大輔1 柳下次雄1 高波真佐冶1 亀田典章2

所属機関: 1東邦大学医学部付属佐倉病院泌尿器科 2東邦大学医学部付属佐倉病院病理部

ページ範囲:P.225 - P.228

文献概要

 腎浸潤性移行上皮癌は通常の腎盂移行上皮癌とは異なり,腎盂内に乳頭状発育をせず,腎実質内へ浸潤性に増殖する。今回,結石性膿腎症と鑑別困難であった症例を経験したので報告する。61歳,男性で,左側腹部痛,発熱,体重減少で来院した。X線写真で左腎結石と水腎症が認められ,尿所見で白血球多数,尿細胞診はclassⅡであった。逆行性腎盂造影では腎盂尿管移行部の狭窄が見られ,コンピュータ断層撮影法でも同部以上の腎盂尿管壁の肥厚が認められた。結石性腎盂腎炎と診断し,抗生剤投与を行ったが,解熱しなかった。経皮的腎砕石術(PNL)所見で腎盂粘膜は瘢痕化白色状で,隆起性病変は認めなかった。PNL後も解熱せず,結石性膿腎症と診断し,腎摘出術を行った。病理診断は腎浸潤性移行上皮癌であった。術後癌化学療法を行ったが播種性血管内凝固症候群(DIC)を併発し,術後49日目に死亡した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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