文献詳細
文献概要
特集 前立腺生検の最前線
異型小腺房増殖(ASAP)の診断学的意義と注意点
著者: 宮城洋平1 原田昌興1
所属機関: 1神奈川県立がんセンター臨床研究所腫瘍病理研究室
ページ範囲:P.541 - P.547
文献購入ページに移動PSA値の測定が頻繁に行われるようになり,前立腺針生検で,1 coreのみに数個の異型腺管が見いだされる微小病変を経験する機会が増えている。これらのなかには,明確に癌と診断できる早期病変,超早期病変に加えて,様々な理由で「癌と確定診断できないものの癌である可能性が否定できない」病変が含まれる。この病変を,異型小腺房増殖(atypical small acinar proliferation;ASAP)としてまとめる概念が提唱されている。ASAPという診断は病理医にとって諸刃の剣である一方,一定の取り扱い基準を持って対処すべき「臨床病理学的」な意味での境界病変を端的に表す言葉として有用である。
掲載誌情報