icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科58巻9号

2004年08月発行

綜説

多発性囊胞腎はどういう病気か

著者: 堀江重郎1

所属機関: 1帝京大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.647 - P.655

文献概要

要旨

多発性囊胞腎は,疾患責任遺伝子PKD1, PKD2が同定され,病態についての理解が進んできた。囊胞形成には尿細管細胞の脱分化,炎症,血管新生,アポトーシスが関わっていることが明らかになり,いわば良性腫瘍と見なすべき疾患と考えられる。また血管平滑筋にも病変が生じ多発性囊胞腎患者に多い高血圧の原因となっている可能性がある。われわれはPkd1遺伝子欠損マウスを作成しその表現型と分子異常を明らかにし,チアゾリン系薬剤PPARγアゴニストが腎囊胞形成の分子異常をin vivoで改善することを見いだした。PPARγアゴニストは,現在腎不全進行に対して治療法のないADPKDの治療薬となる可能性が期待される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら