文献詳細
症例
文献概要
症例は71歳,男性。老人健診の胸部X線で多発性肺腫瘍を指摘された。転移性肺腫瘍が疑われ,原発巣検索のためCTを施行し,骨盤内に7.5×5.5cmの充実性腫瘤を認めた。同腫瘤の生検にて前立腺中分化腺癌リンパ節転移と診断された。PSAは3,100ng/mlと高値を示しており,骨シンチにて左坐骨に集積を認めた。前立腺癌Stage D2(T4,N1,M1c)の診断のうえ,内分泌療法(diethylstilbestrol diphosphate,LH-RH agonist)を施行し,肺転移巣は消失した。骨盤内リンパ節転移に対しては放射線治療も追加し2.5×3.0cmと縮小した。治療10か月後の現在,PSAは0.2ng/ml以下で再燃なく経過している。
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