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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻10号

2005年09月発行

小さな工夫

酸性蓄尿と通常蓄尿が同時に行える据置型蓄尿装置の使用経験

著者: 奥山光彦1 山口聡1

所属機関: 1旭川医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.788 - P.788

文献概要

尿路結石症や副腎疾患における24時間尿検査は,尿中カルシウム,尿酸,17-OHCS検査のように添加物なしに蓄尿が行われる通常蓄尿と,尿中シュウ酸,アミノ酸,カテコラミン3分画検査のように塩酸添加が必要な酸性蓄尿に分類される。したがって,これまで通常蓄尿と酸性蓄尿の24時間尿検査は少なくとも2日間にわたる検査期間が必要で,被験者にとって煩雑な検査法であった。そこで検査期間の短縮や蓄尿方法の簡素化を目的として,これらの24時間尿検査が簡便で同時に施行可能な据置型蓄尿装置を考案,開発したので報告する。

 この蓄尿装置は,尿を装置上部の分尿カラムに注ぐことにより,その底部にある2つの穴を通って尿が2分割され,それぞれ下の2個の貯尿袋に蓄尿される単純な構造である(図1)。なお,蓄尿には一般に市販されている貯尿袋の装着が可能である。実際には6N塩酸20mlを添加した酸性蓄尿用と何も添加していない通常蓄尿用の2つの貯尿袋を設置し,それぞれの蓄尿検査が24時間で完了する。24時間尿量は,酸性蓄尿と通常蓄尿の貯尿袋の尿量を合計することで算出される。図2は貯尿袋の拡大写真で,均等に蓄尿が行われていることを示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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