文献詳細
小さな工夫
乳幼児の膀胱尿管新吻合術における膀胱内開創器として創縁保護具の使用経験
著者: 坂本亘1 石井啓一1 井口太郎1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター小児泌尿器科
ページ範囲:P.881 - P.881
文献概要
型どおり,5cmの皮膚切開(Pfannenstiel incision)をおき,腹直筋を分けて膀胱前腔に入る。膀胱壁に3cmの縦切開をおき,創縁保護具をこの膀胱壁切開創より直接膀胱内に挿入する。つまり,創縁保護具の上リングは皮膚切開の外側で,下リングは膀胱内で開いた状態で固定された状態となる(図1)。この操作のみで膀胱内の観察,尿管口の確認,尿管内へのスプリントの挿入などが可能である。このあとの手術は,他の開創器(リングリトラクター)を併用し行っているが,創縁保護具ごと膀胱粘膜を牽引するため,膀胱粘膜の損傷は軽度である(図2)。
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