文献詳細
特集 泌尿器切除標本の取り扱い方―私たちはこうしている
文献概要
要旨 経尿道的内視鏡手術では組織が多数の細切片として回収されるため細切片同士の位置関係を術後に把握することが困難である。経尿道的膀胱腫瘍切除術においては腫瘍の大きさと部位の記載を正確に行い,固有筋層を含むよう十分深く切除する。小さな腫瘍や上皮内癌では容易に粘膜上皮が脱落するので,コールド・パンチを使用するとともに検体を愛護的に扱う。腫瘍は可能であれば深達度が判定できる方向で包埋する。経尿道的前立腺切除術における病理学的検討の目的は前立腺癌の発見にある。効率や経済的な問題があるものの,癌の見逃しを避けるためには全切除片の検索が望ましい。癌を発見した場合,占拠面積を計測してT1aかT1bかの判定を行う。
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