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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻2号

2005年02月発行

文献概要

症例

健診を契機に発見された多房性囊胞状腎細胞癌

著者: 各務裕1 柚須恒1 長谷川雄一1 池本庸1 小野寺昭一1 頴川晋1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.161 - P.164

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症例は52歳,男性。健診の超音波断層検査で左腎腫瘤を指摘され当科を受診した。諸種画像所見より多房性囊胞状腎細胞癌もしくは多房性腎囊胞と診断。悪性疾患を否定できなかったため,経腹式左腎摘除術を施行した。病理組織学的に多房性囊胞状腎細胞癌(pT2N0M0,stageⅡ)であった。本腫瘍は比較的稀であるが,特に良性疾患である多房性腎囊胞との鑑別が難しく,泌尿器科臨床上,十分注意しなければならないと考えられる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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