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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻3号

2005年03月発行

小さな工夫

TUR術中,閉鎖神経反射で困ったら

著者: 柳沢健1 伊藤弘之1

所属機関: 1青森労災病院泌尿器科

ページ範囲:P.249 - P.249

文献概要

TURBTなどの際に閉鎖神経反射で困った経験は,ほとんどの泌尿器科医がお持ちであろう。術前に閉鎖神経ブロックを行っておけばある程度は防止可能であるが,効果が不十分な場合もあるし,ブロックは不要と考えて手術に臨み,予想外に起きる場合もある。Tapping切除法や閉鎖神経反射を起こさせないTURシステムの開発などの報告もあるが,簡便な防止法を紹介したい。おそらく,経験的に知っている方もたくさんおられるであろう。

 閉鎖神経反射が起きた場合,電気メスの切除ペダルではなく,凝固ペダルで切除してみて頂きたい。モードは混合モードにせず,切開出力を0とした純凝固の状態とし,凝固出力は1~2割アップさせてみる。切れ味は悪いが,閉鎖神経反射が減弱し,比較的安全に切除できる場合がある。効果が認められないときもあるが,半数以上で閉鎖神経反射の減弱が得られる。灌流液を排出し膀胱をなるべく虚脱させたほうが反射が起きにくいのは,成書に記載のとおりである。また,ループは切除鏡から出しすぎないようにしながら,少しずつ切除すべきである。問題点としては,切れ味が悪くなるので切除ループの深さの調節がやや難しくなること,切除面が凝固変性するため,癌の深達度の判定が困難な場合があることなどである。しかし,安全性には換えられないと考えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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