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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方 1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【膀胱炎】

4.下肢拘縮のために開脚することができない高齢男性患者が血膿尿を訴えています。対処と処方について教えて下さい。

著者: 山口聡1

所属機関: 1旭川医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.24 - P.28

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1 診療の概要

 設問のような相談は,しばしばリハビリ施設や老人介護施設から寄せられ,泌尿器科医師にとってその取り扱いに迷うことも少なくない。このような患者のほとんどは,脳性麻痺などの神経疾患や脳血管障害などの後遺症により,長期臥床を余儀なくされている。何らかの排尿障害の合併も当然予想されるが,通常,それまでに専門医の診察を受けていないことが多い。また施設によっては患者の搬送が困難であり,容易に来院できない例にも遭遇する。

 これらを踏まえて,通常の患者と同様に診療することが基本であるが,患者によっては一般の診療ステップを踏めないこともしばしばである。また苦労して診断の確定に至っても,患者の社会的背景などにより,根本的な治療が選択できないことも多い。その際は,対症的に処置しつつ,無理のない範囲で診療を進めざるを得ない。このように,標準的な治療そのものが必ずしも患者のQOL改善に結びつかないことがこれらの患者の特殊性ともいえる。したがって,患者個々の状態を慎重に判断して,その時々で最も適切な方法を選択することが必要である。

参考文献

1)山口 聡:前立腺疾患のすべて;前立腺肥大症,尿道膀胱鏡.臨泌57:67-72,2003
2)ガイドライン作成委員会:再発予防ガイドライン.尿路結石症診療ガイドライン(日本泌尿器科学会,日本Endourology・ESWL学会,日本尿路結石症学会編),金原出版,pp70-71,2002
3)Tomson CRV:Prevention of recurrent calcium stones:a rational approach. Br J Urol 76:419-424, 1995
4)Griffith DP, Osborne CA:Infection(urease)stones. Miner Electrolyte Metab 13:278-285, 1987
5)Griffith DP, Moskowitz PA, Carlton CE Jr:Adjunctive chemotherapy of infection-induced staghorn calculi. J Urol 121:711-715, 1979
6)Wong HY, Riedl CR, Griffith DP:Medical management and prevention of struvite stones. In:Coe FL, Favus MJ, Pak CYC, et al(ed):Kidney Stones:Medical and Surgical Management. Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, pp941-950, 1996
7)Jonler M, Lund L, Bisballe S:Holmium:YAG laser vaporization of recurrent papillary tumours of the bladder under local anaesthesia. BJU Int 94:322-325, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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