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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方

1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【腎盂腎炎】

6.腎盂腎炎が疑われる患者です。CT,そのほかの画像診断の適応について教えて下さい。

著者: 浅野友彦1

所属機関: 1防衛医科大学校泌尿器科

ページ範囲:P.32 - P.34

文献概要

1 診療の概要

 急性腎盂腎炎は臨床症状,検尿所見,血液検査などにより比較的容易に診断が可能なので,通常は画像診断を行う意義は少ないと思われる。抗生物質の投与により発熱,側腹部痛などの臨床症状が速やかに軽快するような軽症の急性腎盂腎炎では,腎の形態的変化がみられることはほとんどなく,このような患者に対して画像診断を行う必要はない。

 急性腎盂腎炎が疑われる患者に対して画像診断を行う目的は,結石や水腎症などの尿路の基礎疾患がないか,膿腎症や腎膿瘍などの重症の感染病巣がないかを調べることにある。腎盂腎炎を起こした患者が男性や高齢者である場合,腎盂腎炎を繰り返している場合には,尿路結石,尿路閉塞,膀胱尿管逆流,神経因性膀胱などの尿路における基礎疾患が存在している可能性もあるので,KUB,静脈性尿路造影(IVU),超音波検査,CTスキャン,排尿時膀胱造影などの画像診断を行う必要がある。

参考文献

1)Kawashima A, Sandler CM, Goldman SM:Current roles and controversies in the imaging evaluation of the acute renal infection. World J Urol 16:9-17, 1998
2)Gold RP:CT appearance of acute inflammatory disease of the renal interstitium. AJR 141:343-349, 1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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