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特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方 1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【尿道炎】
8.尿道周囲炎と診断した患者です。保存的治療のポイントについて教えて下さい。また,ドレナージを必要とする場合はどんなときでしょうか。
著者: 黒川純1
所属機関: 1聖路加国際病院泌尿器科
ページ範囲:P.38 - P.39
文献購入ページに移動一般的に急性尿道炎は男性に多く,性(行為)感染症(STD)の1つとされ,起炎微生物である淋菌やクラミジア・トラコマチスにより発症することが多いとされている。また,女性の純然たる尿道炎はごく稀で,膀胱(尿道)炎との区別は難しいとされている1)。
尿道周囲炎は,炎症が尿道周囲組織に波及して起こる感染症とされている。単純な急性尿道炎にとどまらず,周囲に炎症が及ぶ要因としては,以下の点が考えられる。(1)感染の機序としての,何らかの先行素因の存在が疑われることが多くみられる。(2)感染の病態としては,全身的な条件,病原微生物に対する防御機構,免疫機構が弱化すること,すなわちAIDS,血液疾患,代謝性疾患,悪性腫瘍,先天性疾患などに罹患の有無を確認することが必要である。(3)尿道に限られた原因としては,先天異常,尿流停滞,腫瘍,異物,瘢痕の存在,局所の粘膜の変性,狭窄,瘻孔など尿の流通障害があるときに起こることが多い。発生頻度は低く,稀な疾患とされている。
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