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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方

1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【前立腺炎】

10.急性前立腺炎の患者です。対処と処方について教えて下さい。

著者: 黒田昌男1

所属機関: 1日生病院泌尿器科

ページ範囲:P.43 - P.45

文献概要

1 診療の概要

 前立腺炎は50歳未満の男性では泌尿器感染症のなかで最も多いものであり,50歳以上でも前立腺肥大症,前立腺癌についで多くみられる前立腺疾患である。前立腺炎は小児にはほとんどみられないが,成人男性では全年齢にわたってみられ,30歳代後半から40歳代に多くみられるとされている1)

 急性前立腺炎は,前立腺全体に細菌感染が起こることがその病因である。下部尿路感染症を伴うことがほとんどで,敗血症となることもある。原因菌は腸内細菌であるグラム陰性桿菌がほとんどで,大腸菌が最も多い(表1)。ほかに緑膿菌,セラチア,クレブシエラなどが原因菌として多くみられる。グラム陽性菌では腸球菌が最も多く,ブドウ球菌もときおり原因菌となることがある。細菌感染よりも臨床症状は軽いが,クラミジア(Chlamydia trachomatis)も前立腺炎の原因微生物の1つである。

参考文献

1)Roberts RO, Lieber MM, Rhodes T, et al:Prevalence of a physician-assigned diagnosis of prostatitis:The Olmsted County Study of Urinary Symptoms and Health Status Among Men. Urology 51:578-584, 1998
2)Meares EM Jr:Acute and chronic prostatitis:diagnosis and treatment. Infect Dis Clin North Am 1:855-73, 1987
3)British Association of Sexual Health and HIV-Medical Specialty Society:2002 national guideline for the management of prostatitis. 1999 Aug(revised 2002). NGC:002267 National Guideline Clearinghouse(http://www.guideline.gov)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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