文献詳細
特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【前立腺炎】
文献概要
1 診療の概要
前立腺炎は50歳未満の男性では泌尿器感染症のなかで最も多いものであり,50歳以上でも前立腺肥大症,前立腺癌についで多くみられる前立腺疾患である。前立腺炎は小児にはほとんどみられないが,成人男性では全年齢にわたってみられ,30歳代後半から40歳代に多くみられるとされている1)。
急性前立腺炎は,前立腺全体に細菌感染が起こることがその病因である。下部尿路感染症を伴うことがほとんどで,敗血症となることもある。原因菌は腸内細菌であるグラム陰性桿菌がほとんどで,大腸菌が最も多い(表1)。ほかに緑膿菌,セラチア,クレブシエラなどが原因菌として多くみられる。グラム陽性菌では腸球菌が最も多く,ブドウ球菌もときおり原因菌となることがある。細菌感染よりも臨床症状は軽いが,クラミジア(Chlamydia trachomatis)も前立腺炎の原因微生物の1つである。
前立腺炎は50歳未満の男性では泌尿器感染症のなかで最も多いものであり,50歳以上でも前立腺肥大症,前立腺癌についで多くみられる前立腺疾患である。前立腺炎は小児にはほとんどみられないが,成人男性では全年齢にわたってみられ,30歳代後半から40歳代に多くみられるとされている1)。
急性前立腺炎は,前立腺全体に細菌感染が起こることがその病因である。下部尿路感染症を伴うことがほとんどで,敗血症となることもある。原因菌は腸内細菌であるグラム陰性桿菌がほとんどで,大腸菌が最も多い(表1)。ほかに緑膿菌,セラチア,クレブシエラなどが原因菌として多くみられる。グラム陽性菌では腸球菌が最も多く,ブドウ球菌もときおり原因菌となることがある。細菌感染よりも臨床症状は軽いが,クラミジア(Chlamydia trachomatis)も前立腺炎の原因微生物の1つである。
参考文献
1)Roberts RO, Lieber MM, Rhodes T, et al:Prevalence of a physician-assigned diagnosis of prostatitis:The Olmsted County Study of Urinary Symptoms and Health Status Among Men. Urology 51:578-584, 1998
2)Meares EM Jr:Acute and chronic prostatitis:diagnosis and treatment. Infect Dis Clin North Am 1:855-73, 1987
3)British Association of Sexual Health and HIV-Medical Specialty Society:2002 national guideline for the management of prostatitis. 1999 Aug(revised 2002). NGC:002267 National Guideline Clearinghouse(http://www.guideline.gov)
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