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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方

1.尿路・性器の炎症性疾患 ■非特異性感染症 【精囊炎】

11.精囊炎を疑う患者です。対処と処方について教えて下さい。

著者: 黒田昌男1

所属機関: 1日生病院泌尿器科

ページ範囲:P.46 - P.48

文献概要

1 診療の概要

 細菌感染,ウイルス感染,クラミジア感染,結核など精囊炎の原因はさまざまであるが,原因不明のこともある(表1)。その確定診断は困難で,確定診断のためには精囊液の検査が必要である(表2)。正確には経直腸超音波検査(TRUS)下に精囊穿刺を行い,精囊液を採取しなければならない。精囊穿刺は痛みを伴う侵襲の大きい検査であり,日常の外来診療で手軽に行うことはできない。

 通常,精囊炎は臨床症状と精液や前立腺液(expressed prostatic secretion:EPS)の検査に基づいて診断されており,前立腺炎との鑑別が困難で,精囊炎の有無は不正確である。隣接した臓器である前立腺,精巣上体の炎症を合併することが多い。特に急性炎症の場合は,前立腺炎,精巣上体炎の臨床症状が前面で出てくる。臨床症状は,下腹部痛,会陰痛,血精液症,膿精液症などであるが,急性炎症では前立腺炎を合併し発熱がみられ,下腹部に限局した腹膜炎症状がみられることもある。慢性では無症状で不妊を訴えて受診し精囊炎が見つかることもある。

参考文献

1)Furuya R, Takahashi S, Furuya S, et al:Is seminal vesiculitis a discrete disease entity? Clinical and microbiological study of seminal vesiculitis in patients with acute epididymitis. J Urol 171:1550-1553, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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