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特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方 2.神経因性膀胱障害と尿失禁 ■神経因性膀胱障害 【排尿障害】
36.排尿障害で受診した糖尿病患者です。エコー上多くの残尿を認めます。対処と処方について教えて下さい。
著者: 西澤理1
所属機関: 1信州大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.130 - P.132
文献購入ページに移動糖尿病患者において排尿障害の原因となる末梢神経障害による神経因性膀胱の頻度は1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病:IDDM)の約80%,2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病:NIDDM)の約40%に生じる。病因はシュワン細胞の代謝障害により生じた脱髄化と神経伝導障害である。原因のいかんにかかわらず,排尿障害の症状は下部尿路症状として国際禁制学会(International Continence Society:ICS)による2002年の用語標準化報告1)により,尿意切迫感,尿失禁,頻尿などの蓄尿の症状と排尿および排尿後の症状の3種類に区分されている(表1)。
蓄尿症状のなかで尿失禁は,切迫性尿失禁,腹圧性尿失禁,混合性尿失禁,遺尿,夜間遺尿,持続性尿失禁,そのほかの尿失禁に分けられ,頻尿は昼間と夜間とに分けられる。そのほか膀胱知覚に関しては,正常,増強,低下,消失,非特異の5種類に区分される。排尿症状は尿勢低下,尿線断裂,尿線中断,排尿開始遅延,腹圧排尿,排尿終末時尿滴下に分けられる。排尿後症状は残尿感と排尿終了後尿滴下とに分けられる。
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