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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方

2.神経因性膀胱障害と尿失禁 ■神経因性膀胱障害 【排尿障害】

37.排尿障害で受診した糖尿病患者です。前立腺肥大と巨大な膀胱憩室を合併しています。対処と処方について教えて下さい。

著者: 西澤理1

所属機関: 1信州大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.133 - P.135

文献概要

1 診療の概要

 膀胱憩室が前立腺肥大症による尿道の閉塞状態に続発して生じた場合は,憩室のほかに肉柱形成,松かさ様変形があることが多い。

 肉柱形成がある場合には排尿障害の原因として前立腺肥大症が考えられ,国際前立腺症状スコアが8点以上であり,尿流測定,残尿測定においても尿道閉塞の存在を示唆できる検査所見が得られるものと思われる。尿道閉塞が高度な場合は前立腺肥大症に対して経尿道的前立腺切除術が適応となり,その際に内視鏡的膀胱憩室凝固術を施行することで,一期的に前立腺肥大症による排尿障害と膀胱憩室とを治療できる。肉柱形成がない場合には排尿障害の原因として,糖尿病による膀胱収縮力の低下も念頭に置く必要がある。この場合には経尿道的前立腺切除術の適応はなく,膀胱憩室に対する積極的治療は見合わせるべきである。

参考文献

1)泌尿器科領域の治療標準化に関する研究班:EBMに基づく前立腺肥大症診療ガイドライン.じほう,東京,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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