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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方 2.神経因性膀胱障害と尿失禁 ■尿失禁 【腹圧性尿失禁】

38.腹圧性尿失禁の患者です。タイプ分類と,それぞれの標準的治療法について教えて下さい。

著者: 影山慎二1

所属機関: 1しお医院

ページ範囲:P.136 - P.139

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1 腹圧性尿失禁のタイプ分類

 腹圧性尿失禁のタイプ分類としては,造影による画像診断上の膀胱底の状態と尿道の可動性から,骨盤正面像によるBlaivas分類1)(図1)と骨盤側面像によるGrennの分類2)(図2)が使われることが多い。また,60分間のパッドテストにおける失禁量により,重症や軽症などに分類することもある(表1)。

 画像診断上の分類では,尿道が括約筋の位置から大きくずれるurethral hypermobilityと呼ばれるタイプと,尿道の位置は大きく変化しないものの括約筋力(圧)が低下するintrinsic sphincter deficiency(ISD)と呼ばれるものに大別される3)。ISDは画像診断からも推定されるが,ストレスLPP(leak point pressure)検査によっても診断される。すなわち,膀胱充満時の尿漏出の起こりうる膀胱内圧の高さとして,McGiureにより提唱された尿道抵抗の指標であり,60cmH2O以下であるとその機能低下を疑うと分類されている4)

参考文献

1)Blaivas JG, Olsson CA:Stress incontinence;classification and surgical approach. J Urol 139:727-731, 1988
2)Green TH:Development of a plan for the diagnosis and treatment of urinary incontinence. Am J Obstet Gynecol 83:632-648, 1962
3)近藤厚生:尿失禁とウロダイナミクス.医学書院,東京,p139-427,1988
4)McGuire EJ, Woodside JR, Borden TA, et al:Prognostic value of urodynamic testing in myelodysplastic patients. J Urol 126:205-209, 1981
5)日本コンチネンス協会のビデオ.http://www.jcas. or.jp/
6)吉川羊子,後藤百万,松川宣久,他:当院における尿失禁症例の骨盤底筋訓練の臨床的検討―筋電図による骨盤底筋運動能の評価.NBS 15:127,2004
7)安田耕作,山西友典,島崎 淳,他:尿失禁・尿意切迫・頻尿患者に対するクレンブテロール錠の長期使用成績.西日泌尿51:2129-2137,1989
8)伊藤敬志,山本達也,劉 志,他:神経疾患による切迫性尿失禁に対するトレドミンの治療効果.NBS 15:121,2004
9)村上泰秀:尿失禁の漢方治療.現代東洋医学15:45-49,1994
10)Kondo A, Kato K, Gotoh M, et al:The Stamey and Gittes procedures. Long-term follow up in relation to incontinence type and patient age. J Urol 160:756-758, 1989
11)影山慎二,藤田公生,河邉香月:尿道粘膜下注入療法.福井準之助(編):女性の泌尿器障害と骨盤底再建.pp175-179,東京,南山堂,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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