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特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方 2.神経因性膀胱障害と尿失禁 ■尿失禁 【腹圧性尿失禁】
39.TVT手術後に尿閉をきたした腹圧性尿失禁の患者です。対処と処方について教えて下さい。
著者: 影山慎二1
所属機関: 1しお医院
ページ範囲:P.140 - P.142
文献購入ページに移動TVT手術の合併症として,術後の排尿困難は約5%程度合併すると報告されている1)。本邦でも,武井ら(4/114例)2),後藤ら(3/91例)3)などのいわゆるエキスパートでさえ3~4%に排尿困難を認めると報告していることからも,術前から排尿困難が起きることを想定した十分な対応策が必要である。
排尿困難の起きる原因としては,テープの過挙上が一番考えられる。テープによる尿道の過挙上をきたさないために,尿道ブジーを用いてテープの引き下げを術中に行うなどの対策により(図1),ストレステストが術中に陽性化し,テープ長の調整が容易になるなどの利点がある4)ので,積極的に取り入れたいと考えられる。また,高位の砕石位による体位のために,術中の尿道の角度がテープの面と合わずに閉塞起点となることも考えられる(図2)。そのため,術中には尿道の角度を配慮したテープ調整時に,メッツェンバウム尖刃の支持に注意する必要がある。
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