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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方

6.内分泌疾患 ■副腎・後腹膜の疾患 【クッシング症候群】

72.クッシング症候群の手術を行ったにもかかわらず,症状が改善しない患者です。対処と処方について教えて下さい。

著者: 簑和田滋1

所属機関: 1国立国際医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.264 - P.265

文献概要

1 診療の概要

 副腎の単発腺腫による一般的なクッシング症候群では腺腫の摘除により血中コルチゾールは急激に低下する。このためグルココルチコイドを補充しなければ血圧,循環系を維持できない。原発性アルドステロン症とは異なり,手術前後の臨床症状の変化は明白である。したがって,症状が改善しないということは通常の単発腺腫によるクッシング症候群ではないと考えられる。

 広義のクッシング症候群の分類と内分泌学的相違,鑑別診断を表1,表2に示した1)。ACTHに依存する病型,クッシング病では1日中ACTHの分泌亢進がみられ,また副腎の病変も両側の過形成であり,単発の腺腫によるクッシング症候群との鑑別は明白である。

参考文献

1)中田瑛浩:副腎疾患の20世紀における現況と21世紀の展望.内分泌外科18:17-28,2001
2)舟橋啓臣:副腎皮質および副腎髄質過形成.内分泌外科18:86-92,2001
3)簑和田滋,岡野由典,小山康弘,他:術後少量のステロイド補充により管理した女児クッシング症候群の1例.泌尿器外科10:451-453,1997
4)西古 靖,簑和田滋,篠原 充,他:クッシング症候群術後ステロイド補充の実際―40症例による臨床的検討.日泌尿会誌84:2003-2007,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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