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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方

7.腎不全 【慢性腎不全】

85.慢性腎不全の患者です。腹膜透析を行うべきか,血液透析を行うべきか悩んでいます。対処について教えて下さい。

著者: 武本佳昭1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学

ページ範囲:P.306 - P.309

文献概要

1 慢性腎不全患者初診の心得

 慢性腎不全患者を初診で診察する場合,泌尿器科の医師にとっては患者の状態によって大きく分けて2つのパターンが存在する。

 第一のパターンは,初診時にまったく緊急性を要さない状態である。一般的にいうと血尿や蛋白尿は認めるが患者の状態としては安定しており,緊急の処置を必要としない場合である。多くの場合はこのような状況で患者を初診で診ることになる。このような場合に医療者が行う診療行為の原則は,目の前に坐っている患者がどのような原疾患で血尿または蛋白尿になっているかを診断することから診療が始まる。多くの腎疾患は慢性疾患であり,その患者の病歴を評価しながらその後の経過を推測していくことになる。これが最も一般的な慢性腎不全治療の治療計画になると考えられる。つまり,いかに保存期慢性腎不全をコントロールするかという本質的な腎疾患に対する医療を行うパターンである。第二のパターンとして実際の診療で遭遇するのは,初診時にすでに尿毒症症状があり,速やかに腎代替療法を施行する必要がある場合である。このような状況では,医療者および患者に時間的な余裕がなく,多くの場合は生命にかかわるため血液透析療法を選択することになる。

参考文献

1)(社)日本透析医学会統計調査委員会:図説 わが国の慢性透析療法の現況〔2003年12月31日現在〕.2003
2)栗田 孝(編):TEXT泌尿器科.南山堂,pp342-347,2000
3)小坂直之,久保 仁:CAPDの適応と導入.腎と透析49(別冊慢性腎不全のすべて):356-360,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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