icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻4号

2005年04月発行

特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方

8.そのほか 【採尿法】

88.日常診療における実践的採尿方法について教えて下さい。特に小児,女性の場合の注意点,工夫などについて教えて下さい。

著者: 押正也1

所属機関: 1東京都立府中病院泌尿器科

ページ範囲:P.318 - P.321

文献概要

1 診療の概要

 泌尿器科において検尿は診察の第一歩であり,その採取法は大変重要である。特に尿路感染の診断には慎重を期すべきことが多い。

 通常の尿検には,成人男性においては中間尿,成人女性では中間尿あるいは導尿にて採尿が行われていると思われる。特に女性においては,採尿状況によってその沈渣の所見が大きく変わることがある。図1はその1例で,(a)は自排尿で採取した尿の沈渣であり,(b)は導尿にて採取した尿の沈渣である。便宜上パパニコロウ染色を行っている。(a)では大きな細胞が多数認められ,赤く見えるのが表層の扁平上皮,青いものは中間層の扁平上皮である。赤血球,白血球も認められる。これに対し(b)においては,細胞数が少なく,わずかの上皮と赤血球が認められるのみである。沈渣所見では(a)はR:5~9/強拡大,W:20~29/強拡大,扁平上皮:30~49/強拡大であり,(b)はR:0~1/強拡大,W:1~4/強拡大,扁平上皮:0~1/低拡大であった。(a)は採尿の際に十分尿が溜まっておらず,少量の尿をようやく採尿したことにより,外陰部からのコンタミネーションが生じたものである。このように,採尿の状況によりその沈渣の所見が大きく異なることがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら