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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻5号

2005年04月発行

文献概要

異論・反論 泌尿器科術前・術後管理

3.手術後の血液検査は必要か

著者: 島田誠1 椎木一彦1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院泌尿器科

ページ範囲:P.292 - P.294

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1 はじめに

 総論的にいうと,手術後に行われる血液検査の意義は次のように考えられる。(1)出血の評価,(2)手術対象臓器の(残存)機能評価,(3)他臓器損傷の有無・程度の確認,(4)体液(循環血液)の状態把握,(5)手術により特殊な負荷がかかる場合,その侵襲度の評価,(6)合併疾患の状態把握,(7)動脈血ガス分析などである。これらは手術の種類や侵襲の度合いにより重視する点が異なるが,手術後という特殊な病態のもとでは経過,すなわち経時的変化を捉えることが必要になる。その際,採血を行う間隔はさまざまな要因に左右される。

 泌尿器科的にみて術後採血に関連して考えると,手術にもいろいろなものがあって多種多様である。そのなかで特殊なもの,たとえば副甲状腺や副腎腫瘍などの内分泌に関連した手術,透析患者の手術~腎移植,小児の手術,腫瘍マーカーの上昇している精巣腫瘍手術などの体質特異的または疾患特異的な術後採血~管理が必要であるものは別にして,ここでは一般的な泌尿器科手術に関して述べることにする。

参考文献

1)押 正也,阿曽佳郎:術後管理の実際,血管・自律神経・泌尿器系手術の術後管理.尿路系の術後管理.外科治療62:916-918,1990
2)垣本 滋,前川直文,古川正隆,他:腎摘出術後における残存腎機能の検討.西日泌尿55:660-665,1993
3)山田大介,荻島達也,小峰 学,他:年齢層別にみた経尿道的前立腺切除術の術前後合併症.臨泌57:329-332,2003
4)Rule AD, Lieber MM, Jacobsen SJ:Is benign prostatic hyperplasia a risk factor for chronic renal failure? J Urol 173:691-696, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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