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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻5号

2005年04月発行

異論・反論 泌尿器科術前・術後管理

4.手術後の包交は必要か

著者: 野口良輔1

所属機関: 1水戸済生会総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.302 - P.303

文献概要

1 はじめに

 筆者は研修医時代に手術翌日の手術創の確認が大切であると教わり,回診では必ず創部を観察し,ポビドンヨードで消毒し,ガーゼを交換していた。実はこれはまったくの誤りで,翌日に包交するほうが感染のチャンスを生み,SSI(surgical site infection:手術部位感染症)に寄与してしまうのである。医学は日々進歩し,その先進的な考え方を取り入れず,慣習を守っていると大きな過ち(SSIとはいえ,対応を誤ると致命傷にもなりうる)を犯す可能性も生じてくる。そこで本稿では,「術後の包交の必要性」をCDC(Centers for Disease Control and Prevention)ガイドライン1)より検討し,さらに手術創の管理について新しいevidenceを紹介し,これらに基づいて施行した自施設の経験を報告する。

参考文献

1)Guideline for Prevention of Surgical Site Infection, 1999. Infect Control Hosp Epidemiol 20:250-278, 1999(URL:http://www.cdc.gov/ncidod/hip/SSI/SSI.pdf)
2)DuMortier JJ:The resistance of healing wounds to infection. Surg Gynecol Obstet 56:762-766, 1933
3)Morain WD, Colen LB:Wound healing in diabetes mellitus. Clin Plast Surg 17:493-501, 1990
4)佐貫潤一,古嶋薫,大塚裕一,他:大腸手術における術後感染予防対策.日本外科感染症研究14:175-179,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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