icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻5号

2005年04月発行

文献概要

異論・反論 泌尿器科術前・術後管理

6.抜糸は7日目に行う必要があるか

著者: 原恒男1 山口誓司1

所属機関: 1市立池田病院泌尿器科

ページ範囲:P.314 - P.316

文献購入ページに移動
1 はじめに

 術後の手術創の管理においては,創の治癒が確実できれいであること以外に,処置における患者の疼痛などの緩和や,さらに労力やコストの軽減も要求される。

 本来,手術創の縫合は一次治癒(一次閉鎖)であるからほぼ48時間以内に上皮化は完了するはずであるが,抜糸が不適切に早過ぎると,虚血や血腫,過度の張力などが誘因となって創し開をきたす。逆に,抜糸が遅過ぎると縫合糸に沿った上皮化が起こり(suture tract),これが炎症,膿瘍の原因ともなり得るし,縫合糸跡(suture mark)がより目立つ1,2)

 以上のことを踏まえ,適切な抜糸タイミングを含めた手術創管理が必要である。

参考文献

1)田中嘉雄,田嶋定夫:抜糸のタイミング.外科49:1108-1113, 1987
2)鎌倉達郎,満行みどり:抜糸はなぜ7日目か.臨外59:1450-1452, 2004
3)市田正成:外科手術アトラス.文光堂,東京,pp58-60,1997
4)亀谷 忍:新外科学大系.8.損傷・創傷治癒.中山書店,東京,pp21-52,1990
5)福田 修:新外科学大系.29A.形成外科Ⅰ.中山書店,東京,pp26-52,1988
6)Weber DM, Schiestl CM:Absorbable sutures help minimize patients discomfort and reduce cost in syndactyly release. Eur J Pediatr Surg 14:151-154, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら