icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科59巻5号

2005年04月発行

文献概要

異論・反論 泌尿器科術前・術後管理

7.絶食は排ガスがあるまで必要か

著者: 西村憲二1

所属機関: 1兵庫県立西宮病院泌尿器科

ページ範囲:P.318 - P.320

文献購入ページに移動
1 はじめに

 人間の三大欲求といえば,食欲,性欲,睡眠欲であり,その1つでも欠ければ人間らしい生活ができない。食べるということは単に1日に必要な栄養を口から摂るだけではなく,その字からもわかるように,“人を良くする”効果がある。手術前より極度の緊張状態を強いられてきた患者にとって,食欲を満たすことが通常生活への第一歩であり,それをできるだけ早くかなえるように努力するのがわれわれの使命でもある。

 手術後の患者に「食事はいつから食べられるようになるのですか」と質問されると,昔からわれわれは「おならが出てからですよ」と当たり前のように答えてきた。しかしながら,本当に排ガスがあるまで絶食は必要なのだろうか。消化管運動能の回復状況は,以前より排ガスの有無で評価されてきた。それは患者の訴えによってはじめて判明するのであって,排ガス前より腸管蠕動音が聴取されているのが普通であり,何より夜間に排ガスがあってもわれわれがその事実を知るのは翌朝である。

 本稿では,泌尿器科術後の摂食開始に関して検討してみる。

参考文献

1)松股 孝:絶食は排ガスがあるまで必要か.臨外59:904-905,2004
2)Suehiro T, Matsumata T, Shikada Y, et al:Accelerated rehabilitation with early postoperative oral feeding following gastrectomy. Hepatogastroenterology 51:1852-1855, 2004
3)de Aguilar-Nascimento JE, Goelzer J:Early feeding after intestinal anastomoses:risks or benefits? Rev Assoc Med Bras 48:348-352, 2002
4)長濱雄志:咀嚼の術後消化管機能に及ぼす影響に関する検討.臨床研究報告書2001.pp85-88,2002
5)渡部通章:第3章;消化管手術の基本・術後ケア.2.早期離床―どうしたら早い離床ができるか.消化器外科NURSING秋季増刊:32-37,2003
6)大杉治司,竹村雅至,李 栄柱,他:術後合併症の原因・治療・予防.消化器系術後合併症の対策と治療.外科治療90:746-751,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら