文献詳細
画像診断
文献概要
患 者 50歳,男性。
主 訴 陰茎の無痛性腫脹。
既往歴 尿管結石の既往あり。
現病歴 2003年1月ごろから陰茎根部の硬結を自覚していた。2003年4月8日当科を受診した。発熱,夜間発汗,肉眼的血尿,排尿困難は認められなかった。
入院時現症 体表リンパ節を触れず。陰茎根部から会陰部に連続する腫瘤を触知した。直腸診で一様に硬い前立腺を触れた。
入院時検査所見 LDH 479IU/リットル(正常値:120~220IU/リットル)と高値であった。尿検査:赤血球 1~4/hpf,白血球 5~10/hpf。PSAなどその他の腫瘍マーカーおよび血液生化学検査所見は正常範囲内であった。尿細胞診:classⅡ。
画像所見 骨盤部MRI T2強調像では,均一で低信号な陰茎海綿体腫瘤と前立腺の腫瘤を認めた(図1)。T1強調像でも均一で低信号であった。胸腹部CTでは肺野に小結節と右肺門部リンパ節および左外腸骨リンパ節に腫大を認めた。ガリウムシンチグラフィでは右肺門と骨盤に集積を認めた(図2)。
入院後経過 2003年5月9日に陰茎腫瘤と前立腺の生検を行ったところ,ともにdiffuse large B-cell lymphomaの診断であった(図3)。骨髄生検では腫瘍細胞の浸潤は認められなかった。陰茎・前立腺に発生した悪性リンパ腫(臨床病期Ⅳ期)の診断でRituximabを併用したCHOP療法(cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, prednisolone)を行った。8コースの治療で陰茎腫瘤・前立腺の硬結は消失し,化学療法後12か月経過した現在,腫瘍の再発は認めていない。
主 訴 陰茎の無痛性腫脹。
既往歴 尿管結石の既往あり。
現病歴 2003年1月ごろから陰茎根部の硬結を自覚していた。2003年4月8日当科を受診した。発熱,夜間発汗,肉眼的血尿,排尿困難は認められなかった。
入院時現症 体表リンパ節を触れず。陰茎根部から会陰部に連続する腫瘤を触知した。直腸診で一様に硬い前立腺を触れた。
入院時検査所見 LDH 479IU/リットル(正常値:120~220IU/リットル)と高値であった。尿検査:赤血球 1~4/hpf,白血球 5~10/hpf。PSAなどその他の腫瘍マーカーおよび血液生化学検査所見は正常範囲内であった。尿細胞診:classⅡ。
画像所見 骨盤部MRI T2強調像では,均一で低信号な陰茎海綿体腫瘤と前立腺の腫瘤を認めた(図1)。T1強調像でも均一で低信号であった。胸腹部CTでは肺野に小結節と右肺門部リンパ節および左外腸骨リンパ節に腫大を認めた。ガリウムシンチグラフィでは右肺門と骨盤に集積を認めた(図2)。
入院後経過 2003年5月9日に陰茎腫瘤と前立腺の生検を行ったところ,ともにdiffuse large B-cell lymphomaの診断であった(図3)。骨髄生検では腫瘍細胞の浸潤は認められなかった。陰茎・前立腺に発生した悪性リンパ腫(臨床病期Ⅳ期)の診断でRituximabを併用したCHOP療法(cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, prednisolone)を行った。8コースの治療で陰茎腫瘤・前立腺の硬結は消失し,化学療法後12か月経過した現在,腫瘍の再発は認めていない。
参考文献
1)西坂誠泰,佐々木政臣,若狭研一:前立腺および陰茎根部に発生した悪性リンパ腫.日本臨床細胞学会雑誌32:552-556,1993
2)Yu GS, Nseyo UO and Carson JW:Primary penile lymphoma in a patient with Peyronie's disease. J Urol 142:1076, 1989
3)熊副洋幸,松尾義朋,中園貴彦,他:悪性リンパ腫の画像診断:鑑別診断を中心に.泌尿器・生殖器領域.臨床画像18:794-803,2002
4)金子智之,中川靖章,山田幸央,他:陰茎悪性リンパ腫の1例.臨泌58:143-146,2004
掲載誌情報