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画像診断
ダイナミックMRIが診断に有用であった左腎茎部神経鞘腫
著者: 福井直隆1 藤井靖久1 木原和徳1
所属機関: 1東京医科歯科大学泌尿器科
ページ範囲:P.607 - P.609
文献購入ページに移動主 訴 左腎茎部腫瘤。
既往歴 特記すべきことなし。
現病歴 2004年3月に心窩部痛を主訴に近医受診した。主訴は自然軽快したが,精査目的の超音波検査にて左後腹膜腫瘤を指摘された。腫瘤は左腎動静脈間にあり,左腎自家移植を含めた腫瘍摘出術を勧められ,当科に紹介された。同年7月9日当科に入院した。
現症・検査 理学的所見,血液一般,血液生化学,尿検査,内分泌学的検査に特記すべき異常は認められなかった。
画像所見 CTでは腎動静脈間に3cm大の辺縁整な腫瘍を認めた(図1)。MRIにてT1低信号,T2高信号で辺縁の臓器との連続性はなく(図2),後腹膜腫瘍と診断された。造影にて内部不均一であり,神経鞘腫,神経節神経腫,他の後腹膜悪性腫瘍も疑われたが,ダイナミックMRI(図3)にて緩徐な造影効果を認めたことから,神経鞘腫を最も考えた。
手術所見 2004年7月14日,経腹的アプローチにてミニマム創・内視鏡下後腹膜腫瘍摘除1)を施行した。術中所見で腫瘍は大動脈の前面に接し,腎動静脈との癒着はごく軽度であり,副腎との連続性もなかった。摘出標本は3cm大・灰白色の表面平滑な腫瘤で,腫瘍内にはモザイク状に出血壊死を認めた。病理診断はAntoni A typeと,一部にAntoni B typeの混在する神経鞘腫であった。
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