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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻1号

2006年01月発行

雑誌目次

綜説

腎移植と遺伝子多型

著者: 佐藤滋

ページ範囲:P.7 - P.15

癌の発症・進展,代謝疾患や薬剤応答などさまざまな領域で遺伝子多型解析を用いた研究が行われている。腎移植領域でも,移植腎機能発現遅延,急性拒絶,慢性移植腎症や生着率・予後,免疫抑制剤に対する応答,移植後糖尿病などの合併症といった臨床事象と遺伝子多型との関連についての研究報告が,急速に増加している。一連の研究成果は様々な臨床事象の原因究明の一助になるとともに,個別化治療への新たなアプローチの一つとして期待される。本稿では,腎移植領域における遺伝子多型解析を用いた最近の報告を,筆者らの研究も含めて紹介する。

手術手技 尿路内視鏡手術 1

尿道狭窄に対する尿道拡張術と内尿道切開術

著者: 内藤克輔 ,   鄭泰秀 ,   吉弘悟 ,   須賀昭信

ページ範囲:P.17 - P.22

内視鏡操作などにより尿道粘膜上皮の脱落が生じ,その脱落部よりの尿浸潤が繰り返され,尿道海綿体の線維化(spongiofibrosis)が徐々に進行し,尿道狭窄が生じる。尿道狭窄が高度な部のみの切開を行っても,そのproximalおよびdistal部の尿道海綿体にはすでに炎症が波及しており,再狭窄が容易に生じる。パルス波であるholmium:YAG laserを用いた尿道形成術の経験例を述べた。

尿道狭窄に対する尿道拡張術と内尿道切開術

著者: 吉村耕治

ページ範囲:P.23 - P.28

尿道狭窄,特に医原性のものは日常診療でよくみかける疾患の一つである。尿閉にて来院された方に緊急で尿道拡張を試みる場合もある。本稿では尿道狭窄に対する尿道拡張術・内尿道切開術について普段筆者らが行っている方法について紹介する。

尿道狭窄に対する尿道バルーン拡張術・直視下内尿道切開術・尿道ステント留置術

著者: 羽間稔 ,   前田浩志 ,   吉行一馬

ページ範囲:P.29 - P.36

尿道狭窄の標準的な治療法としては直視下内尿道切開術が行われている。短期的な手術成功率は高いが,長期的にみると再発も多い。こうした再発難治例には尿道ステント留置術が適応となる。また軽症例では従来の尿道ブジー法より粘膜に愛護的な尿道バルーン拡張術が推奨されている。これら3法について実務的な面から詳述した。

セミナー 血栓症・肺塞栓症の予防と対策 1

血液凝固・線溶の基礎知識

著者: 太田覚史 ,   山田典一 ,   中野赳

ページ範囲:P.39 - P.44

静脈血栓塞栓症に対応するにあたり,生体内で生じている凝固-線溶系の動態を把握することは,新鮮血栓の有無,血栓症としての病態の進行・収束状況の判断,重症度の推定,治療効果判定などに加え,血栓性素因の追求から本症発症のメカニズムを探ることなど多岐にわたり不可欠である。ここでは凝固・線溶における基礎知識を静脈血栓塞栓症の診断,予防および治療を踏まえて解説する。

症例

画像上尿管腫瘍が疑われた炎症性偽腫瘍

著者: 牧野武朗 ,   久保田裕 ,   栗原潤

ページ範囲:P.53 - P.55

症例は75歳,男性で,左下腹部痛を認め近医を受診した。疼痛が続くため当院を受診,左尿管結石疑いにて入院した。X線像では明らかな結石陰影は認めず,CTにて腎周囲の尿と造影剤の溢流および尿管不整像を認めた。順行性腎盂造影にて尿管の狭窄を認めたため,尿管悪性腫瘍疑いにて左腎尿管全摘術を施行した。病理の結果,炎症性細胞の浸潤を認めるが,悪性の所見はなく,病理診断は炎症性偽腫瘍という結果であった。術後7か月経過した現在,再発所見を認めていない。

自然破裂した腎血管筋脂肪腫

著者: 宮本克利 ,   沖真実 ,   井上省吾 ,   池田洋 ,   水谷雅巳 ,   松木暁

ページ範囲:P.57 - P.59

患者は41歳,男性。左側腹部痛を主訴に救急外来を受診した。腹部CTにて,左腎上極に8cm大の腎血管筋脂肪腫と腎周囲に広がる血腫を認めたため,左腎血管筋脂肪腫の自然破裂による出血と診断し,経動脈的塞栓術(transcatheter arterial embolization,以下TAE)を施行した。塞栓物質には,無水エタノールとリピオドールを7:3に混合した液を使用した。TAE後の血管造影では,左腎上極の腫瘍部分は造影されず下半分のみが選択的に造影された。現在,腫瘍の増大,再出血などを認めず無症状で経過している。

二次内分泌療法開始後にDICを伴う重篤な病勢進行をきたした再燃性前立腺癌

著者: 根本勺 ,   清水宏之 ,   西村泰司

ページ範囲:P.61 - P.63

77歳,男性。臨床病期D2の前立腺癌にて除睾術が施行されている。今回,再燃をきたし二次内分泌療法としてCAB療法を施行。治療開始13日後より,DICおよび神経症状を併発した骨痛の増強を認めた。臨床経過より,二次内分泌療法が,急激な病勢進行に関与している可能性も考えられた。

画像診断

血尿を主訴としたKlippel-Trenaunay症候群

著者: 北島清彰 ,   橿尾智賀夫 ,   坂本宏

ページ範囲:P.65 - P.67

患者 30歳代,男性。

 主訴 血塊を混えた無症候性血尿。

 家族歴 特記すべきことなし。

 既往歴 出生時より左足に血管腫がみられた。小児期より排便時に出血するため,多くの病院で検査や治療を受けたがはっきりした診断結果は覚えていなかった。

 現病歴 1か月前に無症候性血尿が認められた。一時軽快していたが血塊が混入した血尿が続くため当院を受診した。

 初診時現症 血圧130/60mmHg,体格は中等度,顔面が貧血状,左臀部から左下肢にかけて広範囲の血管腫が認められ,さらに左下肢には静脈の怒張と腫大がみられた(図1)。腹部触診は異常なく,聴診で胸腹部に血管性雑音は聴かれなかった。

 初診時検査成績 赤血球数433×103/μl,Hb 9.4g/dl,Ht 30.6%,血小板12.8×103/μl,血清総蛋白5.6g/dl,アルブミン3.0g/dl,肝機能,腎機能には異常はみられなかった。尿所見は蛋白・糖はなく沈渣では赤血球が20~29/Hであった。

 画像所見・診断 腎膀胱単純撮影で骨盤内に多数の円形の石灰化がみられた(図2)。骨盤部のCTでは膀胱壁に接して多数の円形の石灰化がみられ静脈の石灰化と診断した(図3)。腹部超音波断層では左腎下極に接してカラードップラー法で向かってくる流れの赤,遠ざかる流れの青に識別された蛇行する大きな脈管の存在が疑われた(図4)。造影CTでは動脈相では腹大動脈(Ao)が造影され,その左に2つの大きな脈管が薄く造影されていた(図5)。静脈相になると腹大動脈の造影は薄くなり,腹大動脈(Ao)を挟んで左に2つ,右に1つの脈管が造影されていた。右の脈管は下大静脈(IVC)と思われた。両側腎の形態には異状はなかった(図6)。ここまで画像検査を行い腹部血管異常,動静脈瘻に起因する骨盤内静脈のうっ血による膀胱出血と診断した。専門的な血管検査,治療が必要と判断して高知大学医学部呼吸循環再生外科へ転院して検査を行った。まず造影CTの3次元像(図7)では,上腸間膜静脈(SMV),下腸管膜静脈(IMV)の拡張がみられ,骨盤内にもうねうねと拡張した静脈が多数みられた。血管造影の3D像(図8)では腹大動脈を造影すると直後に上腸間膜動脈(SMV)と上腸間膜静脈(IMV)が造影されてくる。図8のマークがある部位に動静脈瘻がみられ動脈から直接静脈への流れ込みがみられた。さらに上腸間静脈から帰ってくる血液が,門脈が狭窄しているために下腸間膜静脈に流入して骨盤部の側腹血行を介して内腸骨静脈から下大静脈へ帰っていく静脈系が判った。内視鏡的には膀胱,直腸壁に血管の怒張はみられたが明らかな出血巣はなかった。検査結果をまとめると腹腔内静脈奇形と腹部・骨盤部・左下肢の静脈拡張,左臀部から左下肢にかけての血管腫と腫大であった。これらの所見よりcutaneous capillary hemangioma,soft tissue hypertrophy,venous varicositiesの3つ所見を特徴とするKlippel-Trenaunay症候群1~3)と診断した。

小さな工夫

経直腸的前立腺針生検のインフォームド・コンセントのためのスライドショー

著者: 金子智之 ,   本間之夫

ページ範囲:P.69 - P.69

健診などにおけるPSAの認知度の高まりにより,前立腺生検の適応となる症例は増加している。一方で,検査や治療についてより詳しい情報を提示し,患者と共に治療方針を決定していくことが医師に求められており,前立腺生検についても例外ではない。しかし,前立腺生検の適応となる患者に対して外来で費やすことのできる時間には限りがあり,その短い時間で前立腺生検の必要性・手技・合併症などについて医学的知識のない患者が理解できるように説明することは困難であり,対象となる症例が多いだけに医師の負担も大きい。また患者の立場からみても,十分な説明を受けられないために検査の必要性を十分に理解せずに検査に臨むこととなり,不安感・不満を生じる原因となりかねない。

 このような状況をわずかなりとも改善するために,当院では前立腺生検の適応となる患者向けに,前立腺生検について解説するナレーション付スライドを作成し使用している(図1,2)。2004年6月の使用開始後は,前立腺生検の適応となるすべての外来患者に対して,診察室とは別の部屋でスライドショーを視聴してもらったあとに説明を行っているが,患者にもわかりやすいと好評であり,追加説明を要することはほとんどないため医師の負担も軽減された。

学会印象記

「第55回日本泌尿器科学会中部総会」に参加して

著者: 濵本周造

ページ範囲:P.72 - P.73

第55回日本泌尿器科学会中部総会は10月28日から30日の3日間,神戸ポートピアホテルにて島会長のもと兵庫医科大学の主催で開催されました。私事ですが,実家が大阪にありまして,久しぶりに帰郷し,学会中は家より出席させていただきました。ポートアイランドといえば,新神戸の南に26年前に誕生した国内初の都市機能をもつ人工島です。ポートアイランド内にはホテルや国際会議場,学校などのアカデミックな施設のみではなく,ファッショナブルな住宅施設や市民広場があり,まさに国際都市として充実したものです。窮屈な診療の合間を休ませていただいて出席した私としては,心のゆとりを感じる一刻でした。関西では,阪神タイガースが日本シリーズで敗れた直後で物静かでしたが,学会場では多数の参加者でにぎわっただけではなく,懇親会では盛大な料理と,活気あふれるものでした。

 本学会は,一般演題44セッション,212題で,内訳は口演(17セッション,79題),ビデオ(2セッション,7題),ポスター(25セッション,126題)でした。今回のポスター発表は,これまでの方法とは異なり,AUAなどで採用されているようなステージ上でPCを使用して発表する形式(2分発表,2分討論)でした。いままでのポスター発表といえば,見物客のように群集の後ろから発表を聞いて雰囲気を味わう程度でしたが,小さく見づらかった文字や図表が見やすく理解しやすくなり,短時間で多数のまとめられたスライドを見ることができ,勉強になったと思います。反面,発表時間が2分と短かったため,前もってポスターに目を通していなければ内容についていくのは至難かとも感じました。私は,一般口演として最近徐々に広がりつつあるホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)について発表の機会を与えていただきました。同じ題材での発表が重なっていたこともあり,緊張感の中にもゆとりを持って話ができたと思います。

「第57回日本泌尿器科学会西日本総会」印象記

著者: 山田大介

ページ範囲:P.74 - P.75

2005年の第57回日本泌尿器科学会西日本総会は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学公文裕巳教授を学会長として,「変革の時代に泌尿器科はより魅力的になれるか」をメインテーマに11月17日から19日まで岡山市で開催されました。学会場は岡山駅の西口前の岡山コンベンションセンター(別名ママカリフォーラム:「ままかり」とは瀬戸内海でとれる海魚の別名ですが,ご飯と一緒に食べるとその美味しさのあまり思わずご飯が足りなくなり隣の家にご飯を借りに行かなければならなくなるということからその別名が付いたそうです)を主会場として行われましたが,コンベンションセンターの隣には,つい先日完成したばかりのリットシティビル(岡山全日空ホテル・オフィスなどが入っています)がそびえ立ち,ここは六本木ヒルズか? と見間違えるばかりの景色(少しオーバーですが)に変貌しつつありました。小生が学生時代を過ごした20年前は,岡山駅の西口周辺と言えば,よく言えば「三丁目の夕日」に出てきそうな昔懐かしい昭和の雰囲気を残したちょっと危ない地域でしたが,日本経済の立ち直りの波がようやく岡山にも届いてきたようで,スーツ姿の素敵な女性が闊歩する街へと変貌してきておりました。それらの女性の発するエストロゲンの方に吸い寄せられそうになる気持ちを抑えつつ,学会を拝聴させて頂きました。

 11月17日の各種委員会に引き続いて,11月18日,19日には一般演題,ワークショップ,手術中継等々盛りだくさんの内容が盛り込まれておりました。本学会のテーマは冒頭にも述べましたが,「変革の時代に泌尿器科はより魅力的になれるか」でしたが,ワークショップでは「これからの泌尿器科専門医研修とその課題」との命題で,カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)教授の篠原克人先生の基調講演に引き続いて,EU,シンガポール,そして日本の各大学での泌尿器科専門医研修の現状と今後の展望が報告されました。基調講演で篠原先生は,米国における泌尿器科の卒後教育の状況についてお話されましたが,UCSFでは,3人のレジデントの定員に対してなんと190人ほどの応募があり,160人を書類選考で落とし,残りの30人から3人を選ぶということでした。米国での泌尿器科専門医の人気は高く,入局希望者を確保するのに四苦八苦している日本の状況とは雲泥の差のようです。また,米国では泌尿器科レジデント研修プログラムにおける質の保証が,日本とは桁違いに高いレベルであることにも驚かされました。きわめて多い症例数を短期間で経験し,かつ客観的なフィードバックが定期的に行われており,非常に理にかなった研修システムが構築されていました。病院の規模,症例数も異なり日本との単純な比較はできませんが,手術のskillという観点からみれば,専門医取得時点での日米の差は大きくならざるを得ないと思われます。日本の各大学もそれぞれ,系統的な研修システムを構築する努力をしていましたが,正直なところまだまだ今後の課題も多いようです。大学や,泌尿器科医だけでは何ともしがたい問題もありますが,泌尿器科がより魅力的になるためにも,臨床研修医や医学部の学生にアピールできる専門医研修システムを,一大学や一病院ではない広い視野で考えていく必要性が痛感させられます。

病院めぐり

星総合病院泌尿器科

著者: 片寄功一

ページ範囲:P.76 - P.76

当院のある郡山市は,福島県中通り地方のほぼ中央に位置し,東京よりJR東北新幹線で1時間20分のところにあります。人口は約33万人の中核都市で,西方は会津磐梯山を望む猪苗代湖に接しており,自然にも恵まれています。また東北・磐越自動車道など高速交通の整備により,北は福島・仙台方面,東は太平洋側のいわき市など浜通り地方,西は会津地方や新潟県へ向かう交通の要衝となっています。

 さて,当院は今年の4月に開設80周年を迎えました。大正14年3月に郡山市柳内に星医院が開設されたのに始まり,昭和28年5月に星病院と改称,星一郎初代理事長が就任しました。昭和43年4月,郡山市大町(現在地)に病床数240床の財団法人星総合病院が設立され,昭和48年に星一雄現理事長が就任しました。その後さらに規模が拡大され,現在では病床数441床,診療科目27科,常勤医師数57名の総合病院となっています。

焼津市立総合病院泌尿器科

著者: 玉城吉得

ページ範囲:P.77 - P.77

焼津市は,東京から西へ193km,名古屋から東へ173km,京浜・中京のほぼ中間に位置します。静岡県の中央部で,北は遠く富士山を臨み,高草山(501m),花沢山(449m)などの丘陵部を境に県都静岡市と岡部町に接しています。東には駿河湾を臨み,西南は一望に広がる大井川流域の志太平野で,西は藤枝市と,南は大井川町と接しています。年間平均気温17.7℃,冬季の降雪も稀な温暖な気候で,面積は45.93km2,北部山間部を除き平坦な区域に約3万9千世帯,12万人弱の市民が生活し,その人口密度は県下一となっています。

 当院は昭和22年6月1日に協立焼津病院として設立されました。昭和29年4月1日に市立焼津病院を経て,昭和33年11月26日に焼津市立総合病院となりました。その後,診療科・病床の増設が進み現在は23診療科,601床を擁する総合病院として地域医療の中核を担っています。災害時医療救護拠点病院にも指定されており,この地域の医療機関と広域に連携し,医療救護活動を行います。財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価で平成14年3月18日に認定されました。

多摩北部医療センター泌尿器科

著者: 加藤司顯

ページ範囲:P.78 - P.78

東村山市は,明治17年に野口,廻り田,久米川,大岱の4村組合が母体となり,昭和17年に人口1万852人で町制を施行し,昭和39年4月には人口6万6,012人になり,東京都で13番目の市として第一歩を踏み出しました。現在,人口14万6,100人(男72,397人,女73,703人)の市となっています。付近には緑が多く,庭先は多摩湖と自然のあふれた地域です。

 財団法人東京都保健医療公社多摩北部医療センターは,昭和61年7月1日に開設した東京都多摩老人医療センターのあとを受け,平成17年4月1日付で東京都より運営の移管を受け,開設いたしました。これに伴い,診療対象を高齢者のみならず成人層,小児にも広げ,救急医療とがん医療を重点とする地域の中核病院として再出発しました。

新潟県立中央病院泌尿器科

著者: 片桐明善

ページ範囲:P.79 - P.79

上越市は新潟県の西南部(上越地方)の中心都市で,本年1月の市町村合併により人口21万人となりました。昨年の中越地震の震源地であった上越新幹線沿線とはまったく別の場所で,新潟県(越後)を上方(かみがた)から上,中,下と分けた区域の名称に由来しています。もともと上杉謙信で知られる城下町高田と港町直江津からなっており,当院は高田城跡である高田公園脇にありましたが,平成9年に現在地に新築移転しています。上越市は高田公園が春は桜,夏は蓮の名所として全国的にも知られており,また南に妙高高原を控えた豪雪地でもあり,レルヒ少佐による日本スキー発祥の地としても有名です。

 当院は明治8年に私立回春病院として設立され,中頸城郡高田病院,財団法人中頸城郡病院と名称などの変遷ののち,昭和24年に新潟県に移管され昭和25年に新潟県立中央病院と改称されました。現在の当院の病床数は536床,常勤医は92名(研修医7名含む)で,精神科(外来診療のみ)を除くほぼ全科の病床を有しており,救命救急センター,NICUを有する三次救急病院として上越地域の中核病院となっています。平成15年3月には財団法人病院機能評価機構からB認定を受けています。また病院移転とともにオーダリングシステムが稼動しており,平成20年には電子カルテの導入が予定されています。

交見室

頻回のカテーテル閉塞でお悩みの先生方へ

著者: 神保進

ページ範囲:P.81 - P.81

最近の高齢化社会において,様々な理由で仕方なく,排尿管理目的のカテーテルを留置されている患者群が,泌尿器科領域に留まらず介護領域でも増加しているように思われます。そのような患者群の中で,特別な原因もなく,頻回にカテーテル閉塞が起こってしまう症例には,現場の泌尿器科医はかなり悩まされており,様々な工夫をしているのが現状だと思います。

 小生は,農山村で泌尿器科専門の診療所を営んで13年になりますが,小生とて例外でなく,カテーテル閉塞で患者さんが苦しがっているとか,苦しいうえに発熱もあるなどと連絡を受けると,たとえ深夜でも診察を余儀なくされております。

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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