icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻10号

2006年09月発行

特集 Female urology

婦人科手術と泌尿器科合併症

著者: 巴ひかる1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター泌尿器科

ページ範囲:P.739 - P.743

文献概要

要旨 婦人科手術における泌尿器科合併症は,術中の尿管や膀胱の損傷である。術中に損傷に気づけば比較的容易に修復可能であるが,しばしば術後に気づくことになる。これらの多くは保存的には治癒せず手術を要するうえ,機能回復を目的とした形成手術となるため難易度が高い。最も代表的な合併症は尿管腟瘻と膀胱腟瘻で,術直後から数週間以内に真性尿失禁で気づき,前者では水腎症を伴うことも多い。このほか術中の剝離操作やリンパ節郭清による尿管の血流障害や,婦人科手術後によくみられるリンパ囊腫形成に伴う尿管の圧迫による水腎症もあり,腰痛や術後IVPで偶然気づくことが多い。また,広汎子宮全摘出術後の神経因性膀胱も頻度の高い合併症である。

参考文献

1)原 勲,守殿貞夫:尿管膀胱損傷.産婦人科治療84(増刊):395-398,2002
2)渡利英道,櫻木範明:子宮内膜症での子宮全摘術.産婦人科の実際53:369-375,2004
3)真崎善二郎,横山正俊:膀胱損傷.臨婦産56:531-533,2002
4)近江和夫:婦人科手術後の排尿障害.臨婦産54:1228-1230,2000
5)天野俊康,竹前克朗,酒井英明,他:郵送アンケート法による骨盤内手術後の女性性機能障害調査.日泌会誌96:453-461,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら