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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻10号

2006年09月発行

小さな工夫

生体腎移植ドナー腎摘術への新しい創保護開創器の使用

著者: 寺西淳一1 齋藤和男1

所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター泌尿器・腎移植科

ページ範囲:P.768 - P.769

文献概要

 体腔鏡下手術の進歩により生体腎移植におけるドナー腎摘術も,近年,体腔鏡下に行われるようになりつつある。従来の開放手術に比べて低侵襲であり,美容上の観点からも体腔鏡下ドナー腎摘術の利点は大きいが,すべての移植医がこの手技を習得するにはまだ時間を要すると考えられる。

 当科は腎癌に対する腎摘除術などは体腔鏡下で施行しているが,現時点においてドナー腎摘に対しては体腔鏡下手術を施行していない。従来は20cm以上の皮膚切開をおいてドナー腎摘術を施行していたが,2004年3月からより小さな創によるドナー腎摘の試みとして新しい創保護開創器であるアプライドウーンドリトラクター(以下,AWR)を使用したドナー腎摘術を施行している。この術式は開創器としてAWRを用いるだけで,従来のドナー腎摘術と同様の直視下手術でありながら,12cmほどの皮膚切開で施行可能であり,今後,体腔鏡下ドナー腎摘術に移行するまでの過渡的手段として有用であると考えられたため,今回報告する。

参考文献

1)大谷俊樹,亀井宏一:小児泌尿器科領域における創保護開創器の応用と工夫.日小泌会誌12:26-30,2003
2)小高哲郎,金森豊,田中裕次郎,他:小児外科領域におけるプロトラクターの有用性について.日小外会誌39:163-167,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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