臨床泌尿器科60巻13号

2006年12月発行

症例

5年間放置されていた巨大な精巣悪性リンパ腫

著者： 内田健三¹

所属機関： ¹東京都保険医療公社大久保病院泌尿器科

ページ範囲：P.1011 - P.1013

文献概要

　症例は80歳，男性。5年前より右陰囊内の腫瘤に気づいたが放置していた。入院時の身体所見では，右陰囊内に小児頭大の腫瘤が認められた。MRIで右精巣腫瘍と診断，右高位精巣摘除術を施行した。腫瘍は13×9×8cm，重量は589gであった。病理組織的検査では，悪性リンパ腫，diffuse large B-cell typeであった。原発性悪性リンパ腫は高齢者に好発し，予後不良である。本症の診断と治療に関して若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1）児島真一，佐竹一郎，田利清信，他：巨大睾丸腫瘍の3例．埼玉医会誌21：1282-1286，1987

2）小堀善友，重原一慶，天野俊康，他：巨大精巣腫瘍の1例．長野赤十字病院医誌18：48-50，2004

3）竹内康晴，澤田喜友，矢吹大輔，他：精巣悪性リンパ腫の1例．泌尿器紀要49：675-678，2003

4）新津　望：びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫．内科90：473-477，2002