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画像診断
コイル塞栓術を施行した腎動脈瘤
著者: 蓮見壽史1 菅野ひとみ1 竹林茂生2
所属機関: 1東芝林間病院泌尿器科 2横浜市民総合医療センター放射線科
ページ範囲:P.163 - P.165
文献購入ページに移動主訴 左腎動脈瘤。
家族歴・既往歴 特記すべきことなし。
現病歴 1997年より前立腺肥大症にて経過観察されていた。2004年4月9日,内科CTにて左腎に異常を指摘された。
現症 154/80mmHgと軽度高血圧を認めた。
検査所見 血液・尿検査上,異常は認めず。
画像所見 腹部CTにて左腎門部に直径30mmの腫瘤を認め,単純CTでは2/3円周性に石灰化を認め(図1),造影CTでは血管と同密度に濃染した(図2)。腹部MRAにて,腎動脈本幹が分岐した直後に囊状で直径30mmの血管と等信号を示す腫瘤を認め,腎動脈瘤と考えられた(図3)。
経過 2004年8月17日,動脈瘤塞栓術を目的に左腎動脈造影を施行した。左腎動脈瘤は下腎のsegment arteryに存在し(図4),瘤から下腎を広範囲に支配する血流を認めた(図5)。動脈瘤塞栓術にはCook社製,0.035inch血管塞栓用白金コイルを用いた。血管内に出たときの径が10mmのものを4本および8mmのものを3本挿入留置した。造影検査をすると動脈瘤内の血流は完全に消失しており,また動脈瘤より末梢の血流は温存されていた(図6)。術後,特に合併症は認めず,入院期間は3日間であった。術後2か月後のCTにて瘤内に血流を認めず,瘤完全閉塞と考えられた。
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