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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス A.一般臨床検査法 ■尿検査 【細胞診】

17.左右上部尿路尿細胞診の採尿のポイントと注意点について教えて下さい。

著者: 上領頼啓1

所属機関: 1済生会下関総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.71 - P.74

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1 はじめに

 尿細胞診において,検体の採取には,通常,自然排尿時の尿(自然尿)を用いるが,自然尿は,当然,腎杯,腎盂,尿管と通過し膀胱に暫時滞留したのちに排泄されたものであるから,それぞれの部位のはく離細胞を含んでいる。このことは,自然尿の細胞診でははく離細胞が上部尿路からのものなのか,膀胱,尿道からのものなのか判断できない。とはいえ,自然尿細胞診でも上部尿路からと思われる移行上皮の特徴を持つ細胞の出現をみる。上部尿路上皮由来の細胞は膀胱上皮に比べて変性が強く,細胞質や核の染色性も異なっていて鑑別可能としているが1),確実に診断するためには上部尿路から尿の採取を行い尿細胞診検査を行わねばならない。本稿では,その方法について述べる。

参考文献

1)平丸正宣,杉田真一,櫛木英美,他:基本健康診査(住民検診)における尿細胞診検査の成績と細胞学的検討.日臨細胞大分県支部会誌12:21-26,2001
2)岩川愛一郎,加治慎一,副島 司,他:Retrograde Brush Cytologyの有用性.西日泌尿52:143-147,1991
3)小林 実,坂田浩一,橋本紳一,他:術前診断に尿細胞診が有用であった上部尿路腫瘍性および炎症性病変の6例.泌尿紀要40:879-883,1994
4)竹内敏視,篠田育男,栗山 学,他:上部尿路疾患に対する尿細胞診の臨床的検討.泌尿紀要32:177-182,1986
5)北村康男,小林和博,鈴木一也,他:尿路上皮内癌の検討―上部尿路尿細胞診陽性症例を中心に.日泌尿会誌93:621-626,2002
6)Gill WB, Lu CT, Thomsen S:Retrograde brushing:a new technique for obtaining histologic and cytologic material from ureteral renal pelvic and renal caliceal lesions. J Urol 109:573-578, 1973

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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