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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス B.器械的検査法 ■尿道ブジー 【尿道ブジー】

28.男性患者で尿道ブジーが挿入困難です。とるべき処置について教えて下さい。

著者: 中本貴久1

所属機関: 1広島市立安佐市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.104 - P.106

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1 はじめに

 尿道ブジーは通過障害の検査・計測と狭窄部の拡張のために施行されてきたが,エンドウロロジーの手技が確立された現在では,狭窄部の拡張を目的とした治療的意義は薄れてきたものと思われる。

 尿道ブジーは,本来,尿道の解剖学的構造を頭に描きながら,触覚を頼りに行う盲目的な操作であり,挿入が困難な際にこの手技に固執すると,尿道粘膜を損傷したり,偽尿道をつくったり,出血や感染を生じたりする危険が多い。尿道狭窄に対する拡張術(尿道ブジー)の目的は,さらなる瘢痕形成を起こすことなく瘢痕を伸展させることである1)。尿道ブジーの際に,尿道粘膜を損傷したり,偽尿道をつくったり,出血や感染を生じさせたりすることは,狭窄部をさらに損傷させたり,炎症を生じさせ,新たな瘢痕形成の原因をつくることにもなる。したがって,盲目的な手技である尿道ブジーが困難な場合は決して無理をすべきではない。

 尿道ブジーの挿入が困難な場合は,尿道に何らかの解剖学的異常が存在すると考えられるので,まず内視鏡を用いて直視下に尿道の状態を観察する,あるいは逆行性尿道造影を施行して,狭窄の部位ならびに狭窄の程度を確認することが推奨される。

参考文献

1)Jordan GH, Schlosberg SM:Surgery of the penis and urethra. In:Walsh PC, Retik AB, Vaughan ED Jr, et al(eds):Campbell's Urology. 8th ed. Saunders, Philadelphia, London, New York, St Louis, Sydney, Toronto, vol. 4, chapt. 110, pp3886-3954, 2002
2)三木 誠:尿道ブジー(尿道拡張).吉田 修(編):ベッドサイド泌尿器科学―診断・治療編.改訂第3版.南江堂,東京,pp104-105,2000
3)長久保一朗,石黒幸一,斉藤史郎,他:尿道狭窄に対するバルーン拡張期の使用経験.泌尿器外科2:99-103,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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